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フレイルについて

フレイルに関する情報を皆さまにお届けいたします。

フレイルとは

誰しもがいつまでも健康で、いきいきと暮らしていきたいと願っています。ですが私たちは加齢とともに体力や認知機能が低下していき、これは避けられない事です。このフレイルという考え方を知って、「今、自分がどんな状態なのか」「このままの生活スタイルで良いのか、もっと活動的にならなければならないのか」といったことが客観的に認識できると、年齢を重ねることをむやみに恐れることも無いでしょう。

フレイルはグレーゾーン

 

    かつて体力や活動が低下した高齢者に対して「虚弱」という表現がありました。これは加齢によって身体の生理機能・認知機能が低下した状態で、主に不可逆的(元には戻らない)なものでありました。

しかし、いくら高齢者といえどもある日突然、急に身体の生理機能や認知機能が低下するわけではありません。あたりまえですが、徐々に低下していくわけです。

この「徐々に低下しつつある期間」がフレイルなのです。この期間にしっかりとリハビリを行い、栄養を摂取して活動的な生活を送ることができれば、フレイルの状態から脱することが出来るでしょう。

2014年に日本老年医学会が提唱した概念です。以前はFrailtyの日本語訳として虚弱が使われていたのですが、元来Frailtyには適切な介入により、再び元に戻るという意味合いも含まれていたため、この概念の認知度を高めるねらいもあり「フレイル」と表すこととなりました。

 

参考文献:荒井秀典.「フレイルの定義」.日老医誌 2014;51:497―501
日本老年医学会HP

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フレイルのとらえ方

この図をご覧ください。右方向へ加齢とともに坂を下る様に体力が低下しています。赤色の部分になると要介護状態です。
フレイルは黄色部分なのですが、矢印が両方向に向いています。これがフレイルの特徴で、何もしなければ要介護状態に陥ってしまいますが、きちんと対応をすればフレイルを脱して緑色の健康状態に戻ることが出来ることを表しています。赤色の要介護状態から黄色へ戻ることも示されていますが、私の個人的なリハビリの経験では大変な苦労を要すると思います。

さらに下の矢印を見ると、緑色と黄色までは健康寿命であることも示されていることも確認しておきましょう。

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フレイルは身体だけではない

 

フレイルはその人の身体の状態だけを指すのではなく、精神・心理面、社会的側面が相互に影響し合ったものなのです。

身体面
体力低下により日常生活に支障をきたすおそれがある状態。動作やバランスが低下した状態を表すロコモティブシンドロームや筋肉量が減少した状態を表すサルコペニア等がこれに含まれます。

 

精神・認知
うつ状態や認知症が主な要因となって活動的な生活が送れない状態。特に初期段階から見出すことが難しいため、日ごろからの関わりがとても重要です。

 

社会
外出が出来ないほどの体力低下や認知症も無く体調に問題はないが、家族・友人・知人がおらずいつも一人で過ごしており、「社会的なつながり」が減少している状態。

 

たとえば・・・
独居で家族や友人などと会っている様子もない。いつも家に閉じこもりがちで近隣住民もほとんど姿を見たことがない。民生委員もいつも気にかけており、時折インターホンを鳴らしてみるがいつも応答がない。少し前に一人で外出して帰り道がわからなくなり、警察に家まで送ってもらったことがあった。

このケースの場合、
・いつも閉じこもりがち➔体力低下(ロコモ
・サルコペニア)、うつ、認知症
・独居、家族や友人がいない➔社会的孤立
帰り道がわからなくなった➔認知症
・独居➔
食生活などの乱れ、低栄養、サルコペニア

 

といったことが考えられます。きちんとアセスメントをすればもっとたくさんのことが考えられると思います。

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地域で支える

先に挙げたケースの場合、単に身体を動かす機会を作るだけでは対応は難しいようです。またうつや認知症などがある場合、当事者ご本人だけで対応は困難と言えるでしょう。地域住民や行政、医療機関などの協力体制のもと、じっくりとサポートする必要がありそうです。

すでにわが国には「地域包括ケアシステム」というものがあります。当事者ご本人の意思を尊重しながら、地域・医療・リハビリ・介護・福祉などのサービスが一体となって支えていく体制です。地域包括ケアシステムがは当初、「介護状態の方をどのように支えるか」が主軸でしたが、現在では「どのようにして要介護状態の方を増やさないようにするか」つまり、フレイルとされる方々への対応も大きな柱のひとつとなっています。

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まずは身体的フレイルをチェック

J-CHS基準

身体的フレイルには米国のFriedらが提唱したCHS基準(体重減少・筋力低下・疲労感・歩行速度低下・低活動)の5項目による評価があるが、わが国ではこのCHS基準を国立長寿医療センターが日本版CHS基準(J-CHS)として改定しました。

非常に簡易ですぐできますから、まずは身体的な所をチェックしてみてください。

※ここでよくあるご質問が、「歩行速度 毎秒1.0m」です。これは大まかに言いますと、横断歩道が青信号(点滅するまで)のうちに渡り切れるかどうかでお考え下さい。青信号の時間は横断歩道の長さ1mにつき1秒で計算されています(実際はこれに交通量なども加味されています)。

 

参考:国立長寿医療センター

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次は生活全般を評価

基本チェックリストの25項目

次にご紹介するのは、先に述べた身体、精神・認知、社会を含めた総合的な評価です。

評価結果を気にせずありのままでお答えくださいね。そもそもフレイルは元に戻れる状態であることをお忘れなく。

 

出典:PT-OT-ST.NET

COVID-19が人と人とのつながりを分断

2020年に始まったCOVID-19の感染拡大。これにより高齢者は活動の場を奪われ、もともと活動的だった方でさえ、フレイル状態に陥る状況となりました。

この時、私は訪問リハビリとして一人でも多くの方にしっかりと活動していただける環境作りに奔走していたことを覚えています。

あらためて地域や人と人とのつながりの大切さが身に染みた経験でした。

フレイルのリハビリ

日本版CHS基準または基本チェックリストの結果はいかがだったでしょうか。

たとえフレイル状態だとしても、これは病気ではなので、慌てる必要はありません。

そして一人で抱えてはいけません。お気軽にご相談ください。

 

 

理学療法士による運動指導・リハビリ

理学療法士などのリハビリテーション専門職は、整体やトレーナーなどとは異なり、「地域リハビリテーション活動支援事業」として、地域のシニア・高齢者の方々へ運動指導を行ったり、リハビリを実施しています。

地域リハビリテーション活動支援事業とは、市区町村が郡市区医師会(必要に応じて都道府県医師会)と連携の上、 医療機関や介護事業所等の協力を得て、リハビリ専門職等を安定的に派遣できる体制を構築する事業をいいます。

 

お役立ちコラム「リハビリテーションについて」にもありますが、リハビリテーションは身体を鍛えるだけではありません。そしてリハビリテーション専門職はその人が自分らしく地域で暮らしていけるようサポートできるスキルを持っています。

 

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