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お役立ちコラム

ここでは皆さまの健康に関するお役立ち情報をお届けしております。

現代社会と健康寿命

     わが国の総人口は、令和2年10月1日現在、 1億2,571万人となっています。 65歳以上人口は、3,619万人となり、
総人口 に占める割合(高齢化率)も28.8%となりました。将来推計人口でみると令和35年(2043)には人口が
9,924万人となり1億人を下回ります。令和47(2065)年 には、約2.6人に1人が65歳以上、約3.9人に 1人が75歳以上となるとされています。

出典:令和3年版高齢社会白書:内閣府        
令和3年版高齢社会白書(全体版) - 内閣府 (cao.go.jp)

健康寿命

       WHOが発表した2022年版の世界保健統計(World Health Statistics)によると、平均寿命が最も長い国は日本で84.3歳でした。ですが、日本以外にも平均寿命が80歳を超えている国は29か国もあります。

    スイス、スペイン、フランスなどのヨーロッパやスウェーデンなどの北欧の国々がランクインしています。アジアでは韓国が3位でシンガポールが4位となっています。世界的にも高齢化の傾向にあるようですね。

     わが国は第二次大戦以降、生活水準の向上、医療技術の進歩、社会保障の充実などにより世界最長寿国となりました。しかし、一方では現代社会に暮らすわたしたちの健康を脅かす問題も出てきています。食品の安全性の問題、心の病、生活習慣病、そして新型コロナウイルス感染症を代表とする新型感染症などです。

       2000年にWHOが「健康寿命」を提唱しました。健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。健康寿命は寿命そのものから「日常生活が制限されている(不健康な)期間」を引いた期間になります。ただ単に寿命を延伸するのではなく、いかに健康で長生きするかが注目されています。先に述べました現代人の健康を脅かす要因に対し、まずは自分でできることから始め、健康寿命延伸に取り組みましょう。

まずは生活習慣病の予防を

 健康寿命延伸の取組として、まず始められることはなんでしょうか。身体的な理由で健康な状態でなくなる、介護を必要とする状態となる原因の多くは「生活習慣病」です。

生活習慣病とは

     生活習慣病とは、食事、運動、休養、喫煙、飲酒などその人の生活習慣が疾病の発症に深く関与しているということです。わが国の死因の上位を占める心臓病、脳卒中やがんなども生活習慣病に含まれています。     

    私たちが病気にかかる要因には、遺伝要因、外部環境要因も考えられます。しかし遺伝的なものやウイルスなどの外部要因は、個人の対処が難しいものもあります。

     その点、生活習慣要因についてはある程度対処できることですので、この機会にぜひ生活習慣の改善を初めてみてはいかがでしょうか。

要介護状態と生活習慣病

生活習慣病予防で健康寿命を延ばす

     要介護状態となる原因の主なものに、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、心疾患、認知症、骨折・転倒、関節疾患があります。

    お気づきの方もいらっしゃるかとは思いますが、いずれも生活習慣の改善で予防が期待できるものばかりです。

     先にも述べましたが、疾病には遺伝的要因と外部環境要因がありますし複数の疾病が相互に関連し合っておりますが、高血圧や脂質異常症、糖尿病(2型)などは脳血管障害や心疾患の主な原因とされています。さらに認知症は脳血管障害によっても引き起こされます。

 

 

出典:平成30年版高齢社会白書 内閣府 高齢社会について

身体活動の効果

活動的な人は元気です

    身体活動量が多い人や、運動をよく行っている人は、総死亡、狭心症などの虚血性心疾患、高血圧、糖尿病、肥満、骨粗鬆症、結腸がんなどの罹患(病気にかかること)率や死亡率が低いこと、また、身体活動や運動がメンタルヘルスや生活の質の改善に効果をもたらすことが認められています。

    更に高齢者においては歩行など日常生活における身体活動が、寝たきりや死亡を減少させる効果のあることが示されています 1,2,3,4)
       生活習慣病の予防などの効果は、身体活動量(「身体活動の強さ」✕「行った時間」の合計)の増加に従って上昇します3)。長期的にみれば、10分程度の歩行を1日に数回行なう程度でも健康上の効果が期待できます。

     余暇に行なう趣味・レジャー活動や運動・スポーツなど家事、庭仕事、通勤のための歩行などの日常生活活動、全ての身体活動が健康に欠かせないものと考えられるようになっています。

 

参考文献:(1)U.S. Department of Health and Human Services: Physical Activity and Health. A Report of the Surgeon General,
                              International Medical Publishi
ng, 1996

                           2)厚生省保健医療局健康増進栄養課: 健康づくりのための年齢・対象別身体活動指針,1997
                           3)Province MA, et al: The effects of exercise on falls in elderly patients. A preplanned meta-analysis of the FICSIT trials. JAMA
                                1995;273:1341-1347
                          4)Hakim AA, et al: Effects of walking on mortality among nonsmoking retired men. N Engl J Med 1998;338:94-99

EIM(Exercise is Medicine)「運動はくすり」

まずは散歩からでも

    運動の健康効果を表す代表的な言葉に、米国の老化学の専門家で故Butler博士の「もし運動を薬用カプセルに詰め込むことができたなら、それは一粒で多くの症状に効く最も有用な処方薬になるだろう」というものがあります。

    EIM(Exercise is Medicine)は、米国スポーツ医学会と米国医師会が2007年にタイアップして作ったキャッチフレーズです。医師が患者さんに治療プランを話す際に、運動や身体活動の向上を勧める活動です。さらにこの活動は、EIMカナダ、EIMヨーロッパ、EIMオーストラリアと世界各地に拡大しています5)

      一方わが国では、厚生労働省(当時は厚生省が国民の健康づくりの運動として「健康日本21」を平成12年3月31日に開始。これを受けて政府は健康増進法案を提出、平成14年6月21日に衆議院、7月26日に参議院で可決され、8月2日に公布されました 。

    栄養・食生活、身体活動・運動、休養・こころの健康、たばこ、アルコール、歯の健康、糖尿病、循環器病、がん、の9分野においてそれぞれ数値目標を掲げ、さまざまな取り組みが行われました。さらに平成25年以降は健康日本21(二次)へ移り、2023年まで活動予定となっています6)

参考文献:5)Exercise is Medicine~運動を薬にするために日本が必要なこと~ 藤井宣晴:臨床スポーツ医学vol34.No3.(2017ー3)

                          6)健康日本21|厚生労働省 (mhlw.go.jp)   (参照 2022-9-21)

どんな運動がいい?

継続は力なり

     生活習慣病予防のための運動についての情報は、インターネットなどでたくさん見ることができます。ウォーキング、サイクリング、水泳、ゴルフ、社交ダンス・・・、また近頃ではYouTubeなどの動画でもさまざまなエクササイズを見ることができます。

     今、これを読まれているあなたにとって何が最適な運動なのかをお伝えすることはできませんが、運動の効果を得るための必須条件ともいうべきものがあります。それは「長く続けられるもの」であるということです。

     これはダイエット法でも言われることなのですが、「継続は力なり」、続けられなければ目的は果たせません。ですが、慣れ親しんだ生活習慣やスケジュールを変えたり、新しい事を始めるのはとても大変な作業です。ですので、まずは「これなら続けられるな」と思うものから始めるようにしてください。

ある糖尿病患者さんのおはなし     その1

      ここでは、私が病院勤務時代に出会った糖尿病患者さんのお話を少ししようと思います。

この患者さんは、50代の男性でとても真面目な方でした。私の作成したリハビリのプログラムを一生懸命に行ってくれて、経過も良好でした。そろそろ退院、という頃に私はご自宅で行っていただく自主トレメニューをお渡しして、一通り説明をしました。この方は会社員でとても多忙な生活スケジュールでしたので、無理なく続けられるためにやや軽めの設定にしてありました。この方ならきっと真面目に取り組んでもらえるだろうと思っていましたが、しばらくすると再入院することとなりました。再び私が担当をさせていただくことになりましたので、お話をうかがってみますと、退院後すぐに血糖値を改善しようとジョギングを始められたそうです。ここまでは非常に良い展開で、「やっぱりこの方は真面目だな」なんて思っておりました。しかし、もともと運動習慣がなく、多忙な毎日の中で継続する事が出来ずに挫折してしまったとのことでした。そして「ほかの人はできるのに自分はできない」「せっかく入院したのに何も変われていない」と自己嫌悪や自己否定の感情が強くなり、引いては「どうせ無理なんだから」と諦めてしまい、食生活等の生活習慣が乱れてしまったのです。真面目な方だからこそ生じてしまったのかも知れません。もちろん私も、もっと丁寧に指導をしていれば良かったと反省をし、今回はより時間をかけて自主トレメニューの行い方や注意点について説明をしました。そしてまた退院後しばらくして、外来でお会いすることがありましたが、そのときは「自分なりのペースで音楽を聴きながら楽しくウォーキングしてますよ」と仰ってました。

 

ある糖尿病患者さん  その2   を見る       

行動変容を知る

画像をクリックすると拡大します

中見出し

    「健康のためにウォーキングを始める」「夜11時には就寝する」「緑黄色野菜や納豆、ヨーグルトを食べるようにする」など、あるきっかけにより人の行動が変わる事を「行動変容」と言います。

    また「禁煙を始めた」「夜更かしをやめる」など、これまでの習慣を止めることも「行動」ですので、行動変容に含まれます。

       行動変容は医療やビジネス分野などで用いられることが多く、一般的には数か月程度の期間をかけてゆっくりと変化していくものです。そしていくつかの段階(ステージ)を踏んで意識や行動が変化していくため、「行動変容ステージ」と呼ばれています。

■無関心期(前熟考期)
     していない、するつもりはない、できない。
■関心期(熟考期)
     していないが、始めようかとは考えている。まだ迷っている。
■準備期
      していないが、少しずつ近づけていくつもりでいる。
■行動期(実行期)
      すでにやっている。ただし、始めて6か月未満である。
■維持期
       すでにやっている。6か月以上続けている。

    ステージをひとつずつ進むコツは、「失敗しないこと」です。非常に些細な、どう考えても失敗しないことを達成することで、自然と自信がついてきます。この小さな成功体験をくりかえすことが大変重要です。前述した糖尿病患者さんは、自らに課したハードルが高過ぎました。「こんなことは誰だってできる」と思われる簡単なことでも、失敗せずに続けていると自分に自信がついてくるのです。

出典:日本糖尿病療養指導士ガイドブック2009:日本糖尿病療養指導士認定機構.p103

禁煙の行動変容ステージモデル

   禁煙を例にとって、行動変容ステージモデルをもう少し詳しく見てみましょう 。

無関心期への働きかけ

・禁煙のメリットを知る(意識の高揚)。       
・「このままではマズい」と感じる
(感情的経験)。
・周囲への影響を考える(「環境の再評価)。

 

関心期への働きかけ

・喫煙している自分をネガティブに、禁煙した自分をポジティブ         に捉える(自己の再評価)。

準備期への働きかけ

・禁煙をうまくできると考え、禁煙を始めることを周囲の人へ伝える(自己の解放)。

実行期と維持期への働きかけ

・不健康な行動を、健康な行動に置き換える(行動の置換)。例:タバコの代わりにガムを噛む。
・禁煙を続けるうえで、周りのサポートを得る(援助関係)。例:禁煙外来を受診する。
・禁煙に対して「ほうび」を与える(強化マネジメント)。例:タバコ代を昼食代に上乗せする。
・禁煙に取り組みやすい環境づくりをする(刺激の統制)。例:家族のいるリビングで過ごす。

    どうでしょうか、なんとなくイメージがつきましたでしょうか?「気合」や「根性」だけで立ち向かう方法だと、挫折してしまうリスクがあります。

     一度、挫折をした後に再スタートしようとなると、より大きなエネルギーを必要とします。そして「また失敗したらどうしよう・・・」という不安も強くなり、プレッシャーからくるストレスも生じます。

 

出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)

始めてしまえば・・・

まずは一歩踏み出してみましょう

      生活習慣の改善は大切なのは分かったんだけど、やっぱり大変そう・・・。

     そうですよね、皆さん同じように思われますし、私も同感です。
ですが、ちょっとここで考えてみてください。

     この先20年いや、30年の長い間、まだまだその体を使わなくてはならないのです。いつか介護保険サービスを使われるようになっても、まずは「自立した生活」を求められます。ヘルパーさんやお手伝いさんが身の回りのことはなんでもしてくれる、なんてことはないです。なかなかゆっくりはさせてもらえませんよ。

     デイサービスでも訪問リハビリでも「運動」「体力づくり」と、体操やトレーニングの時間は必ずと言っていいほど用意されているでしょう。確かに、年齢に関係なくリハビリテーションの効果はあるとされています。ですが、どうせやるなら今のうちから行っておく方が、当然、良いに決まっていますよね。

      糖尿病をはじめ、高血圧や脳卒中、心臓病などにかかる治療費を考えると、運動の効果は長期的に持続しますし、それにかかる費用も相対的に低くなることがおわかりいただけると思います。

       結果的にその方が断然、体にとって良いこと、人生を楽しく過ごすことができる、それに気が付かれた方はもう、すでに取り組み始めています。

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